大学で講義を行いました。

母校である東京都市大学で講義を行いました。

エコデザインという、持続可能なものづくりについての
講義の一コマの時間をいただき、
約100名の学生に向けて講義をしました。

非常勤講師の友人からの依頼です。

テーマは「バイオミミクリ―」。
バイオミミクリーとは、生き物や自然の仕組みを真似して、
技術やシステムの開発に活かすことです。

「ん?なんだか難しそう」と思いますよね。
でも意外と身近にあるんです。

例えば、面ファスナー(マジックテープ)。
みなさんが持っている洋服や小物などにも使われていませんか?

実は面ファスナーは、オナモミという植物の種をヒントに作られました。
オナモミはいわゆるくっつき虫。

オナモミの種は、トゲでおおわれています。
とげの先端には、フック状になっていて、動物の毛にくっつきます。
動物にくっつき、移動先で落ちることで、種を広範囲に散布することができるのです。

面ファスナーを開発したのは、スイス人のジョルジュさん。
犬を連れて、アルプスを散歩していたところ、
靴下や犬にたくさんのオナモミがくっついて困ったそうです。
でも、ジョルジュさんは不思議に思いました。なぜくっつくんだろう?

そこでオナモミの種を研究したのち、面ファスナーの開発に成功します。

他にもバイオミミクリーの例として、

・ヨーグルトがくっつかない蓋…ハスの葉っぱの水をはじく構造を真似
・水だけで汚れが落ちる外壁…カタツムリの殻の汚れが付かない構造を真似
・速く泳げる競技用水着→サメが早く省エネルギーで泳ぐために獲得した肌の構造を真似

などの紹介をしました。

一方的な講義はつまらないので、クイズをしたり、
実際にカタツムリの殻に油性ペンで書き、
ティッシュだけで汚れが落ちるかどうかの実験をしたりしながら進めました。

本当は、学生と一緒に構内にある林に行き、
自然の中からモノづくりに活かせそうなデザインを探して、
企画してみるということをやりたかったのですが、
人数が100人を超えていたので、今回は実験を見せるだけにとどめました。

今回の講義を通じて、自然って面白いなと思ったり、
自然の見る目が少しでも変わったりしていたらうれしいです。

大学の非常勤講師をしている方(今回のエコデザインの非常勤講師とは別の友人)からは、
「学生の半分は寝ていると思っておいた方がいい」と言われました。

でも実際には、寝ている学生はほとんどいなく、
8割くらいは顔をこちらに向けて話を聞いてくれていました。
笑顔でうなずきながら聞いてくれる方もいて、とてもうれしかったです。

今回の講義で意識したこと。
・導入で興味を持ってもらうこと
講義を聞くことでどんなメリットがあるのか?を始めに伝えた
学生に前に出てきてもらい、実験を手伝ってもらうことで、インパクトを与えた
身近な例を出し、講義を自分事にしてもらうよう意識した

・一方的な話をしないこと
クイズや、実験を取り入れ、飽きないような工夫をした
問いかけを意識し、学生自身に考えてもらうきっかけを作った
質問し、手を挙げてもらうことで、やりとりをしながら進めた

・すっと頭に入る表現
専門用語を使わずに、わかりやすい表現を意識した
1スライド1メッセージを意識し、文字を極力減らした
写真多めのスライドを作成した

僕が今までやってきた自然ガイドや、
保育園での食育出前授業などで学んだ、「伝わる技術」は
大学の講義でも使えるなと実感しました。

「伝わる技術」まだまだ深めていきたい。

約20年前に講義を受けていた場所で講義をするなんて、感慨深かったです。
また機会があればやってみたいですね。

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